家庭での取組
保護者の役割
ケータイ・スマホは便利な道具ですが、使い方を誤ればさまざまな問題を引き起こしたり、危険に巻き込まれたりする可能性があります。
こども家庭庁の令和5年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」報告書によると、低年齢層(0~9歳)の子どもの保護者に、子どもがインターネットを利用しているのかを聞いた結果、「利用している」は74.9%、「利用していない」は25.1%となっています。
年齢的にみると、インターネットを利用していると答えた比率は2歳で58.8%、4歳で72.1%で、6歳で80.9%、7歳で86.3%、8歳で92.3%となっています。
また近年、問題の低年齢化が顕著になってきています。携帯型ゲーム機によるトラブル、写真の拡散によるトラブルなど、ケータイ・スマホは持たせていなくてもゲーム機や音楽プレーヤーがあれば同種のトラブルが起きうるので注意が必要です。
子どもを守るのは社会の大人全体の役割ですが、子どもの一番身近にいる保護者として、どのような点に注意して子どもを指導すればよいでしょうか。
使っている機能について本当に必要か、現在契約している内容が適切であるか考えてみましょう。
- ケータイ・スマホ(本体)
- お子さんの生活にそもそもケータイ・スマホが必要ですか。ケータイ・スマホのどの機能が必要ですか。与えた結果、ケータイ・スマホに頼り過ぎたり、ケータイ・スマホに逃げてはいませんか。自分の暇つぶしにケータイ・スマホを使って、相手を巻き込んではいませんか。もう一度見直してみてください。
- 通話機能
- 学校で会って話せることをケータイ・スマホで話していませんか。不要な通話で時間を浪費してはいませんか。
- メール機能
- あまり意味のないやりとりをおしゃべりの代わりに繰り返して、時間を浪費していませんか。謝罪やお願い、告白など、本来、直接会ったり電話で伝えたりした方が伝わりやすい大切な内容を、メールやメッセージアプリで送っていませんか。電話ならすぐ済む用件をメールやメッセージアプリで送り、返信を待ち続けていませんか。
- インターネット閲覧機能
- ケータイ・スマホでインターネットを見る必要があるのは、どんな場合ですか。それは、パソコンではできないことですか。使い過ぎて時間を無駄にしてはいませんか。オンラインゲームやナビ、音楽のダウンロードなどの「便利」とうたわれている機能は、お子さんに本当に必要な機能ですか。
- デジカメ・ムービー機能
- 撮影される人の立場に立って撮影していますか。相手にとって不要な画像をメールで送りつけてはいませんか。写っている人の許可を得ずに、撮影した画像や動画をブログや動画投稿サイト等にアップしていませんか。
- アプリの利用
- アプリを利用することは必要ですか。アプリで提供されるサービスに夢中になりすぎて他のものを犠牲にしたり、利用していないと不安になるなど依存してはいませんか。
- ゲームや音楽の利用
- ケータイ・スマホでゲームをしたり音楽を聴く必要がありますか。パソコンやゲーム機、専用の音楽機器ではできないことですか。ゲームの中の架空のアイテムを手に入れたり、大量の音楽をダウンロードするために、本物のお金を無駄遣いしていませんか。
- GPS機能
- GPS機能で分かるのは、子どもの居場所ではなくケータイ・スマホのある場所です。GPSをつけただけで安心していませんか。子どもがいつどこで何をしているか、帰りの時間や遊びに行く場所を、直接、コミュニケーションをとって把握していますか。
ケータイの利用実態を把握し、正しい知識で子どもを指導しましょう。
- 子どもがどのようなケータイ・スマホの使い方をしているか知っていますか。
- どれくらいの時間、どのような用途で、誰と連絡をとりあっているか。ケータイの利用明細を利用し、話し合ってみましょう。
- ケータイ・スマホの問題点や危険性を知りましょう。
- 保護者がケータイ・スマホのことを知らなければ、子どもと話はできません。正しい理解で子どもを指導することが大切です。
⇒ケータイ・スマホに潜む問題と危険の具体例はこちら - 子どもが被害にあったときの対処法を知りましょう。
- 子どもが被害にあったとき、一番身近にいるのが保護者です。被害にあったとき、迅速に対応することが早期解決にもつながります。
⇒対策・対処法はこちら - 子どもが加害者にならないようにモラルを教えましょう。
- どのような事例が誹謗(ひぼう)中傷になるのか、いじめになるのかよく教えましょう。子どもは、それと気づかず、人を傷つけてしまうことがあります。ケータイ・スマホの利用で加害者になる場合は、保護者の気づかないところで起こっているケースがほとんどです。匿名だから何を言ってもよいということはありませんし、インターネットでは匿名と思っていても書き込み者を特定することができる場合があります。
【利用明細】
家庭でのルール作りを行いましょう。
ケータイ・スマホの利用についての指導は、保護者の役割です。
家庭で、ケータイ・スマホの問題点や危険性を丁寧に説明し、子どもが分かるように、保護者として心配していること、気をつけてほしいこと、守るべきモラルやルールを教えましょう。
単に禁止するのではなく、子ども当人が納得し自らルールを守ること、保護者は毅然(きぜん)とした態度でルールを守らせることが必要です。
購入前に、まずルールを決め、購入してからもお子さんの使用方法を見ながらルールを見直すことが必要です。
ルールを作るときは、Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)についての利用ルールを親子で相談して決め、その上で利用料金や契約方法について決めると理解しやすく、守りやすいルールができます。
下記に「我が家のケータイ・スマホ利用ルール(例)」を示します。また、ケータイ・スマホルールの決め方も紹介していますので、それぞれの家庭の生活にあったルールを考えてみてください。
保護者として
- ケータイ・スマホやインターネットの利用について正しい知識を持ちましょう。
- ケータイ・スマホの利用で巻き込まれるトラブルの多くはインターネット機能(サイトの閲覧やメール)の利用 で発生しています。保護者が必要だと思う機能だけに限定して契約することも検討しましょう。例えば、ネットにつながらない通話のみの契約や、上限の金額を決められる契約などもあります。
- ペアレンタルコントロール機能を利用して、お子さんのスマホと連動させることで、勝手にアプリをインストールできなくしたり、使用時間を制限したりすることができますので、活用しましょう。
- アプリをインストールするときは「規約」をよく読んで、年齢の条件などを確認しましょう。
- インターネットを使わせる場合は、有害サイトをブロックするフィルタリングを設定しましょう。
- フィルタリングの機能を理解し、過信しないようにしましょう。
- 使用金額や使用量、メールの発信数、夜間の利用について決まりを作り守らせましょう。
- 決めたルールは、毅然(きぜん)とした態度で守らせましょう。