家庭での取組
「自分たちだけは安心」⇒本当?
「うちの子は、他の子とは違う!」
保護者の方は
「うちの子は、他の子とは違う!」
「都会ならまだしも、岡山にいてそんな危険なことに巻き込まれるなんて!」
子どもを信じたい気持ちは親なら当然のことです。
ですが、危険に巻き込まれた子どもの親は
「まさかうちの子が巻き込まれるなんて!」
「何でうちの子が!?」
と思うはずです。
また、高校を卒業して就職や進学した年代の10代後半から20代の青少年であれば、
「子どものときから使いこなしてきた」
「一通りの身近なトラブルは経験しているから大丈夫」
などと考えるかもしれません。
しかし実際には、岡山県でもケータイ・スマホの利用にまつわる問題の被害者や加害者になった例が年齢にかかわらずいくつも発生しています。私たちを取り巻く環境の変化を理解し、保護者であれば、子どもの相談にのり、子どもを危険から守ることが求められます。
また、使用する本人は、年齢や経験に関わらず、常に最新の詐欺やトラブルの情報に敏感になり、少しでもおかしいと思ったら周りの人に相談するようにしましょう。
ケータイ・スマホの利用にまつわる問題は、遠くで起こっていることではありません。
トラブルは必ず起きる
ケータイ・スマホを使うこと自体は悪いことではありません。では、何が悪いのでしょう。なぜ、危険にさらされるのでしょうか。
1.悪意のある人に出会いやすい
残念ながら世の中には悪意を持った人がいます。世の中のIT化以前は、その人たちに出会ってしまうリスクが限られていましたが、インターネットの普及によって、誰でも、どこに住んでいても、めぐり合ってしまう可能性が急増してしまったのです。悪意を持った人が、インターネットに罠をはって、私たちを巧妙にだまし、危険に陥れるのです。
2.コミュニケーション不足によるトラブルが発生しやすい
ケータイ・スマホは、いつでもどこでも連絡が取れるという利便性がある反面、実はコミュニケーションが取りにくいツールです。お互いの様子も分かりませんから、気持ちがすれ違ったり、誤解が生じたり、一方的に伝えたつもりになったり、意思の疎通がうまくいかなかったりすることがあります。このため、犯罪以外のトラブル、IT機器の利用に起因するけんかやいじめ等の人間関係のトラブルも日常的に発生するようになっています。
3.モラルやマナー、周囲への配慮に欠けやすい
静かにしなければならない公共施設や公共交通機関での通話など、「ケータイ・スマホに出る」という自分の都合を優先し、周囲への配慮に欠けた状態になったとき、トラブルが発生します。ケータイ・スマホを操作しながら歩いたり、自転車に乗っていたことによる事故も増えています。
※2019年12月に施行された「改正道路交通法」では、ながら運転の厳罰化が盛り込まれ、自動車だけでなく自転車に乗りながらスマホなどで通話したり操作したりすることも罰則の対象となり、懲役刑や罰則金が課せられることになりました。2017年には大学生による電動アシスト自転車に乗りながらのスマホ操作で、死亡事故も起きています。
「インターネットやケータイ・スマホが悪いわけではない」とよくいわれますが、高度な機能と操作の難しさを考えると安易に使った場合トラブルが起きかねない道具であることは確かです。車社会では、交通事故が起きないようにトレーニングのための教習所や道路交通法というルールがあります。違反した時の減点や罰金などの対策もありますが、それでも交通事故は起きています。ところが、ネット社会には、トレーニングやルールや免許制度などはありません。トラブルは起きるべくして起きているといえます。インターネットやケータイ・スマホを賢く利用し、より人間性やモラルが問われる、自分自身で危険から身を守らなければならない時代が来たのです。