対策・対処法
不正アプリ
スマホに登録されている電話帳の「電話番号」「メールアドレス」、自分が今いる「位置情報」などの様々な利用者情報を勝手に抜き取るアプリのことを「不正アプリ」といいます。スマホから抜き取られた情報は、アプリ開発者のもとに自動的に送られます。スマホを遠隔操作してカメラを作動させて「撮影動画」を送らせ盗撮や盗聴をしたり、アプリがインストールされたスマホのフォルダーに保存してある写真などのファイルを転送するなどのアプリもあります。
「電池が長持ちするアプリ」「電波が改善するアプリ」というような便利な機能を装い無料で提供されているため、その機能を信じて気軽にインストールしてしまいがちです。しかし電話帳などのデータが流出してしまうと、自分だけでなく、家族や友人にも詐欺(いわゆるオレオレ詐欺)や架空請求、迷惑メールが来るといった被害がおよび、たくさんの人に迷惑をかけることになります。
また、不正アプリには、有料の人気アプリの偽物もあります。公式なアプリのダウンロードページで、本物とそっくりな名称、アイコン、説明文が掲載され、本物と同じ金額で販売されているものもありますが、説明文どおりには機能しません。
スマホには、ウィルス対策も必要です。しかし、スマホを標的としたウイルスが出回っていることを利用して、「ウィルス対策」をうたった不正アプリもあるので注意しましょう。携帯電話を契約する際、オプションでウィルス対策アプリをつけられたり、ウィルス対策アプリが他のオプションとセットで提供されていたりするので、どのような契約になっているか確認をしておきましょう。ウィルス対策の契約がされていない場合は、パソコンの大手ウィルス対策ソフト制作会社が提供しているモバイル向けウィルス対策アプリを使用するのが安心です。パソコン用のウィルス対策ソフトの中には、モバイルにも使えるライセンスがセットになって提供されているものもあります。
公式なアプリダウンロードサイトに掲載されているアプリは、一定の審査を通過したアプリですが、公式サイトのアプリの中にも不正なアプリがあるのが実情です。ダウンロードの際には、「利用規約」「同意事項」「個人情報の取り扱い」をよく読んでからダウンロードしましょう。自分の情報を開示する必要があるアプリをインストールする時には、アプリに「提供しなくてはならない情報(特に重要な「個人情報」、アドレス帳のデータ、カメラ、GPSの位置情報などのデータ)」がアプリの「使用目的」とずれがないか確認し、ずれがある場合(写真を加工するアプリなのにアドレス帳やGPS情報の利用許可を求めるメッセージが出るなど)はインストールしないようにしましょう。また、非公式なサイトのアプリは審査を通過したものではありませんので、ダウンロードしたり、インストールしないようにしましょう。
不正アプリではなくても、アプリの中にはスマホの位置情報を利用するものがあります。このため、スマホの位置情報をオンにした状態で撮影した写真のファイルには、どこでいつ撮影した写真かという位置情報が記録されます。これをSNSなどに投稿すると、自分の行動や自宅のおおよその位置などが見ず知らずの人に知られてしまうかもしれません。
ネットで知り合った人にスマホで写真を送ったことにより、「自宅が特定できたから住所や電話番号をネットにさらす」といった脅しを受けた事例もあることから、スマホの位置情報の設定には注意しましょう。
問題点・危険性
- スマホに登録されている電話帳の電話番号、メールアドレス、位置情報などの様々な利用者情報は、ウイルス対策など最適な管理を怠ると悪用されるおそれがあります。
- ストーカーのための監視アプリもあり、それらのアプリの中には、位置情報や通話内容や遠隔操作で撮影したビデオファイルなどを転送させる機能もあります。
- スマホを遠隔操作される場合があります。
- 便利な機能を装っているため、不用意にインストールしてしまいがちです。
- 人気アプリの偽物もあります。
- 個人情報が送信されてしまうと、詐欺や迷惑メール等の被害にあう危険があります。
- 自分だけでなく、家族や友人にも被害がおよぶ場合があります。
- 公式サイトにないアプリは不正アプリである可能性が高いと考えられます。
- 利用者が不正アプリだと気づきにくいので、レビューやユーザー評価が良いものであっても、注意が必要です。
- 不正アプリではなくても、位置情報を送信するアプリ等には特に注意が必要です。
対策・対処
- アプリは公式サイトからダウンロードしてインストールし、非公式サイトからはダウンロードしないようにしましょう。
- 必要なアプリかどうかよく考えてからダウンロードやインストールをしましょう。
- 作成者や提供元が不明のアプリはダウンロードしないようにしましょう。
- アプリをインストールする前に、レビューを見たりインターネットで検索するなどの情報収集をすることで被害を未然に防ぐことができます。
- 位置情報やアドレス帳へのアクセス権限を求めるアプリは、そのアプリに本当に必要な権限かどうかよく考え、必要ないと思われる場合には許可しないようにしましょう。
- ウイルス対策アプリを導入し、常に最新のパターンファイルに更新しておきましょう。
- システムやアプリは常にアップデートし、最新の状態を保ちましょう。
- 万が一、被害を受けた場合は、最寄りの警察署に相談しましょう。