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無料通話アプリ

LINE無料通話アプリには様々なものがありますが、最も利用者が多いのは、LINE(ライン)です。岡山県内では、ネットやコミュニケーションサービスを利用していると回答した児童生徒のうち、小学生の40.8%、中学生の80.0%、高校生の95.1%(2016年岡山県教育庁義務教育課生徒指導推進室調べ)が利用していて、圧倒的なシェアを誇る人気のアプリです。児童生徒は友達の間での連絡を、メールよりもLINEで行うケースが増えています。

無料通話アプリには、他にもSkype(スカイプ)やカカオトークなどがあります。アプリにより、音質の良し悪しがあり、スタンプというイラストマークの種類や内容など、それぞれに特徴があります。これらのアプリはスマホに無料でインストールすることができます。同じアプリが入っていれば、異なる携帯電話会社の端末同士でも、個人間または複数人の所属するグループ内で、音声通話やメッセージ交換を無料で行うことができます。

これらのサービスの利用設定には注意が必要で、アプリやスマホの設定をきちんと行わなかったことによりトラブルに巻き込まれることがあります。例えば、サービスを利用する相手(友達)を登録する際、スマホの<アドレス帳に登録しているすべての電話番号>に対し「アドレス帳の連絡先を<自動で>友達に追加」「<あなたの電話番号を保有している>ユーザーの『友達』に追加されることを許可する」といった友達を簡単に登録するための機能があります。これら機能をきちんと理解し設定していなかったために、アプリを利用していることを知られたくない相手に知られてしまったり、友人が電話番号を変更したのを知らずに通知し、その番号を新たに利用している第三者に個人情報を通知してしまいトラブルに巻き込まれるケースもあります。

「無料通話アプリ」とは言っても、中高生の利用で多いのは「無料通話」ではなく、文字やスタンプというイラストなどを送り合い、画面を見ながら複数の友達同士でやり取りするグループトークの機能です。部活の連絡など一斉連絡を行うのに便利な反面、お互いの表情や口調が分からず感情が伝わりにくいことから、利用方法によっては様々なトラブルが起きています。

まず、これらのアプリ内で中高生が行うやりとりの多くは、それほど重要な要件というわけではなく、多くは短い一言二言の他愛のないメッセージのやり取りを延々と続けていくといった、「やりとりそのもの」を楽しむ利用です。このため何時間もやりとりを続ける例も珍しくありません。

送ったメッセージを相手が読むと送信したメッセージの横に「既読」という文字や、サービスによっては既読者の数を示す数字が表示される機能もあり、トラブルを引き起こしています。相手がメッセージを読んだかどうか確認できるのは便利ですが、「既読」の状態になったのに「なかなか返信が来なくて不安になる」「読んだらすぐ返信しないと無視していると思われるから、すぐに返信しなければならない」と常に気になって、食事や入浴、勉強中でもケータイ・スマホを片時も手放せなくなるといった依存状態の中高生が増えています。

人間関係のトラブルも起きています。これらの短いメッセージのやり取りでは、相手の表情が見えず、声のニュアンスが分からず、文章量が少ないため誤解を招きやすく、いじめや喧嘩につながるケースもあります。メッセージを読んでも返信しないこと(既読スルー)によって、「はずし」と呼ばれる、グループから排除し仲間はずれにする事例、仲間はずれにしたい人以外で新しいグループを作る事例、ターゲットを招待しては退会させる事例など、いじめの発端となってもおかしくない事例もみられます。

誤解の例としては、「何で行くん?」と交通手段を聞いたのに「何故行くのか?」と誤解されたり、「いいよ(OKだよ)」と肯定したのに「いいよ(だめだよ)」と否定の意味に誤解されたり、「それ良くない?(それ良いよね)」と褒めたつもりが、「?」を打ち忘れて「それ良くない(否定の意)」と送ってしまいトラブルを引き起こしてしまったり、「(運とかいろいろ)持ってるね」とたたえたつもりが、平仮名で「もってるね」と書いたため「(話を)盛ってるね(大げさに言ってるね)」と相手を非難した意味にとられたり…など様々な例があります。気軽に送信できる分、よく確認せずにメッセージを送ってしまうので、送信前によく確認することが必要です。

写真や動画も簡単にやり取りできるのでトラブルが起きています。友達の写真を気軽に載せたことがきっかけで仲が悪くなったり、男女間で裸の写真を送り合ったりするといったことも起きています。

「友人の友人」など直接知らない人と知り合いになり、出会い系サイトと同じような問題が発生したり、「相手から返事がないと心配で一方的にメッセージを送ってしまう」ことがエスカレートし、ストーカーになってしまうといった加害事例も起きています。

限られたグループ内でのやりとりだからと安心して送信した「内緒話」が、グループのメンバー構成全員を把握していなかったために思わぬ人に漏れてしまい、トラブルの火種になることがあります。また、メッセージや写真はコピーで簡単にインターネット上に拡散しますから、送信前に、送信しても大丈夫かどうかを慎重に判断することが必要です。

LINEはフィルタリングの設定をしていても使うことができるため、LINE上で起きるトラブルは、使用する本人が十分に気を付ける必要があります。またLINEグループでの書き込みは、ネットパトロールの業者は閲覧できないため、閉鎖的な人間関係の中でのトラブルが起きた時に、発覚しにくいという弊害もあります。

他には、アカウントの乗っ取り、なりすまし、迷惑メッセージが送られてくるというトラブルも発生しています。そのようなメッセージは個人情報を悪用する業者からのものである可能性が高いので、注意が必要です。

問題点・危険性

  • サービスや機能・設定をよく理解していないために、自ら個人情報を公開している場合があります。
  • 昼夜や場所を問わないやり取りで、生活習慣や学習習慣の乱れが起こります。
  • 常に見ていないと不安になるなど、依存状態に陥る人が増えています。
  • 自分が思うペースで返信がないことを一方的に不満に思い、相手の都合を考えたり、思いやりを持てなかったりする自己中心的な人が増えています。
  • 画面を使ったやりとりだけでは、現実における人間同士のコミュニケーションを行う能力が十分に育ちません。
  • 既読スルーや誤解等で、グループからはずされるなど、いじめが発生することがあります。
  • 大量のメッセージ送信や返信の強要が相手にとってストーカー行為となって いる場合があります。
  • 知らない人との出会い、アカウントの乗っ取り、なりすまし、迷惑メッセージが送られてくるなどのトラブルが発生する場合があります。

対策・対処

  • 無料通話アプリでやりとりするときには、利用する時間、場所などモラルを守りましょう。
  • 「○時以降は使わない」などの約束を、友達同士で決めましょう。
  • アプリやケータイ・スマホの設定をきちんと行いましょう。
  • ID検索機能は、必要時以外はオフにしましょう。
  • 安易にIDを掲示板等に載せないようにしましょう。
  • 24時間つながっていなくても友達はいなくなりません。アプリをチェックし続けなくても不安に感じる必要はありません。
  • 学校や部活など現実に人に会って行うコミュニケーションや経験を大切にしましょう。
  • メッセージ交換を重荷に思う人もいます。重要な連絡にはアプリではなく、通話や直接などの連絡方法も取り入れましょう。
  • 「既読」の状態はメッセージを<読んだか>ではなく<開封>したかどうか確認する機能です。返信を強要するのはやめましょう。
  • 自分が送られて嫌な内容、悪口やうわさ話は人に送らないようにし、メッセージを送る前に誤解を招く表現でないか確認してから送りましょう。
  • 迷惑な相手をブロックしたり、グループを退会する、アプリを削除することも問題を解決する方法の一つです。
  • トラブルに巻き込まれたときは、保護者や学校に相談し対処法のアドバイスをもらいましょう。
  • 万が一、悪質な誹謗(ひぼう)中傷や脅しの被害を受けた場合は、最寄りの警察署の相談係または生活環境課に届けましょう。

お問い合わせ先

岡山県子ども・福祉部
子ども家庭課
〒700-8570 
岡山県岡山市北区内山下2-4-6
TEL:086-226-0557 
FAX:086-234-5770

サイト監修

筒井愛知
(TSUTSUI Yoshitomo)
就実大学人文科学部 非常勤講師